コルトパイソン357マグナム 冴羽 モデルガン
ただ、パイソンに限らず、コルト系モデルガンは、いささかデリケートにできている。丁寧に扱おう。盛り上がるギターのサビに、さり気なくワンカット入る僚の指名手配書。そしてその下には、もちろんパイソン。続く軽快なイントロとともに、彼を取り巻く洒落たな小道具のワンシーンが挿入され。そして、歌詞が始まるとともに、それに合わせたように迫力ある発砲シーンが。リズムに合わせて演出されるこのシーンは、まるで踊るように軽快。シティボーイらしい軽快さと、357マグナムといういかにも野性的なものが同居する、まさに「僚」のイメージのプロモーション・ビデオだ。クラウンのパイソン。廉価さとそれにおつりが十分来る性能。隠れたおすすめだ。これと別売りのエア専用金属カートを入れれば、「実銃感」がハンパない。ネットでも『神回』と謳われるこの回。アニメのオリジナルストーリーなので、原作を読み尽くした方にも、自信をもって紹介できるエピソードだ。気になる方は、ぜひともDVDを。まずはシティーハンター第一部、後半のオープニング『ゴーゴーヘブン』。曲のラストに向けて、息もつかせぬほど盛り上がったところ。そこへ一人歩く僚の後ろから、まるでジョーズのようにぬっと姿をあらわすヘリ。激しいヘリからの銃撃が、僚に炸裂。しかし、それをものともせず、マグナムを抜いて、一発!回りこむカメラワークで描かれる発砲シーン。そして、時代劇を彷彿させる、「一瞬にしてすれ違う」ヘリと僚の姿が、一瞬の停止絵として描かれるのが対照的。そして、鮮やかなガンスピンでパイソンをホルスターに収めると同時に、はるか上空に上がったヘリが爆発。うん「357マグナムでヘリは落とせない。」「そもそもどうして撃たれたらすぐ爆発しないの?」「うん。それはね。スタッフがあんまり銃器に詳しくなくって、なにせリボルバーにサイレンサーをつけても効果ないのに、わざわざつけていたくらいだから。」など、野暮なツッコミを入れてはいけない。いや、そのツッコミさえも吹き飛ばしてしまうかっこよさが爆発している。まだ見ていない方のために、大筋は省く。しかし、そのラストシーン。やっぱり危機的状況なのに、弾丸は一発。かくいうシチュエーションが、いやが上にも雰囲気を高めるのに、あの劇的な告白。そして、覆いかぶさるように、『シティーハンター』の顔『Get Wild』の静かなサビがかかってくる。涙腺を揺さぶるどころか、トドメを指すような演出の連発!たった一発の銃弾なのにここまで重いとは。2019年には劇場版シティーハンター「新宿プライベート・アイズ」が公開、1999年のテレビスペシャルから数えると20年越しだ。これなら、ちゃんとシリンダーを横に振り出し、カートをぱらぱらと落とす。『ゴーゴーヘブン』のOPさながらの感覚が味わえる。何せ、ペガサスシステム第一段のパイソンから、ずっと「パイソン」に関わってきたメーカーだ。しかし、シティーハンターはあくまで「銃」のみにあらず。『SUPER GIRL』『熱くなれたら』など、僚と香の関係をしっとりと歌いあげるように描いた名作ぞろいだ。今聞いたら、すこしダサく感じる方もおられるかもしれない。しかし、それさえもスタイリッシュな懐かしさと化すのは、シティーハンターマジックだ。最後に、パイソンといえばこの回。しかし、実物のパイソンは、私は一種のアンティークとして見ている。なにせ、1955年に発売されコルトの職人が一丁一丁手作業で調整している。すなわち半世紀も前に設計された銃であるがゆえに基本設計が古い。彼の庭である新宿も、当時と今とではかなり変わってしまった。だからこそTMネットワークに今ひたろう。懐かしい「僚」がいたあの時代にタイムスリップと洒落込むのもいいかもしれない。というわけで、シティーハンターのオープニング、そして、テーマについて、つれづれと綴った。そして、やっぱりパイソンの魅力たっぷりといえば『シティーハンター3』のオープニング。そう、シティーハンターといえば、小室哲哉といえば、やっぱりTMネットワークだろう。物語を彩る小物、思わず手にしたくなるガジェット、そしてすてきなストーリー。そして、よりリーズナブルなエアガンのパイソンも用意されているのがうれしい。シティーハンターといえばオープニング、エンディングとその音楽。どれも僚とパイソンがかっこよく描かれている。第二に『シティーハンター 2』の前半のオープニング。プレイステーションで大ヒットした音ゲーの先駆け。その音楽を担当した松浦雅也が加入しているバンド「PSY・S」が送り出した『Angle Night 天使のいる場所』。モノクロの演出が渋い、シティーハンター第一部のエンディング『Get Wild』。まるで、僚の内面をそっと告白するような『Still love Her』など。80年台後半を代表するヒット作を連発していたTMネットワーク。先ほど上げたPSY・Sとともに、時代の風を象徴していたアーティストが楽曲を提供しているのも、シティーハンターの魅力。外見は言うことなし。R-MODELに改良がくわえられた、作動にさらなる改良が加わった一丁だ。独断と偏見で上げてしまうが、『シティーハンター2』最終回、『さらばハードボイルドシティ』は必見。まるで、時代劇の殺陣、のようなケレン味にあふれる一瞬。斬鉄剣のように、「攻撃した後」一瞬の間をおいて、倒れる敵。『シティーハンター』そして、その続編『エンジェル・ハート』。連載開始が1985年なわけだからもうかなりの時間が経つ。いや!俺はどうしてもスウィング・アウトして薬莢が飛び出す快楽に浸りたい!というこだわりの方は、クラウンモデルのパイソンに手を出すって手もある。なにせ今売っているパイソンのガスガンは、すべてカートリッジは取り出せないケースレス式なので。一瞬、カットインするパイソン。生活感ある小道具の中に、拳銃が溶け込んでいるのが、いかにもな雰囲気。で、口にくわえられたマグナム弾。日本刀の鯉口を切るような音とともにマグナムが装填され、激しい銃弾の暴風の中、仁王立ちでヘリを一発で沈める!これぞ『シティーハンター』という感じ。そう、このちょっとコメディだけども、シリアスなところはバッチリ決める。それが『シティーハンター』ではないだろうか?僚のあの「新宿の種馬」として、少しばかり男臭い、いい意味でセクシーな三枚目は、神谷氏のお家芸だ。彼自身「二枚目から三枚目まで、幅広い面を持つ」冴羽僚はお気に入りで、自らの事務所にも、シティーハンターの仮の会社「冴羽商事」と名付けるほど。おまけにスピードローダーまで別売りされている。「リボルバー使い」の雰囲気に浸れることうけあい!TMネットワークの重鎮、そしてヒットメーカーのアーティスト、小室哲哉が送る『RUNNING TO HORIZON』その軽快なコーラスとともに、真っ暗闇から何か扉が開く。何かな? と思ってみてみると、それは冷蔵庫の扉。ビールを取り出して、ぷはーっとやると、一枚のメモ用紙。そこには、パートナーの香の手でこう書かれている。「飲み過ぎ注意」と。と、こんな小粋な演出から始まるオープニング。しかし息つく暇もなく、次の瞬間、場面が切り替わって戦闘ヘリに追われる香が。という具合に、それを知らない僚のリラックス加減と、一方その頃、香が生死をかけて逃げまわっている。静と動の対比がいい。たたみかけるようなアクションシーン。実によく動いて、見ているだけで爽快。ちょっと薬莢が短く、38スペシャルに見えるのはご愛敬。だけど、比較的「おもちゃおもちゃ」しているクラウンのリボルバーの中では、かなり気合の入った造形となっている。そして、窓ガラスを突き破って突っ込んでくる香を受けて、一瞬「な、何かあったの?」ときょとんとする僚に、ヘリからの銃弾のシャワーが。慌てふためく僚と香。しがみつく香を何とかふりほどこうとするのが、実にコミカル。しかし、一回転して部屋の隅に転がり込む僚の手には、パイソンが。特に、フレーズの盛り上がりに合わせて、シリンダーから排莢されるシーン。実際に、スローモーションで、光の粒をまき散らしながら、地面に踊るように転がる金色の薬莢。これで、リボルバーに心を鷲掴みされた方も多いのでは?しかし、性能とコレクターズ・モデルとしての価値は別だ。やはり、まろやかなワインを彷彿させる、グラマラスな美女のようなパイソンは美しい。加えて、散弾銃のような力強いバレルは、一発でパイソンだと分るキャラが立っている。これら片手に、ぜひ豊かな『シティーハンター』ライフを送ってほしい。僚の愛銃、コルト・パイソン。アニメのオープニングでも、軽快に火を噴く。そしてあげくの果て、戦闘ヘリまで倒してしまう。でも、やっぱり銃と言ったら火薬の匂い、という方。モデルガンのパイソンはいかがだろう?