脂質異常症 原因 加齢

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血液中の脂質として検査されているものは、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の4つです。LDLコレステロールが高い、HDLコレステロールが低い、中性脂肪が高い、のいずれか一つでもあれば、脂質異常症と診断します。この中で、動脈硬化性疾患(狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など)と最も関係が深いのは、LDLコレステロールです。実際に、薬でLDLコレステロールを下げることで、動脈硬化性疾患のリスクを低下させることが実証されています。脂質代謝には性差があり、女性では閉経後に大きな変化を認めます。女性の総コレステロール値、LDLコレステロール値は50歳以前では男性と比較して低いですが、50歳以降は急速に上昇して男性よりも高くなります(図1)。閉経後の日本人女性の約半数で総コレステロール値が基準値の上限である220mg/Hgを超えます。中性脂肪も50歳代までは男性の方が圧倒的に高いですが、女性では30歳代で上昇し始め、60歳代では性差がなくなります。HDLコレステロール値は女性が高値で推移しますが、50歳代以降では女性のHDLコレステロール値が低下し性差がなくなります。脂質異常症は動脈硬化のリスクファクターの一つですが、女性においては内因性の女性ホルモンであるエストロゲンが動脈硬化に対して保護的に働くため、閉経前の動脈硬化は非常に少ないです。アメリカで行われた大規模臨床研究では、動脈硬化性疾患の発症は男女とも経年的に増加しますが、50歳以下では男性は女性の3~4倍リスクが高いという結果が得られています。50歳以降になると、急速に女性の頻度が増加し、70歳代ではほとんど男女変わらなくなるのは、閉経頃からの高LDLコレステロール血症の増加、内臓脂肪蓄積型肥満を基盤とした図1 血清脂質の加齢変化男女ともに、75歳以上の後期高齢者の高LDLコレステロール血症管理に関しては、まだ十分なエビデンスがあるとはいえず、はっきりとした治療指針はありません。「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年度版」においても、65歳以上の前期高齢者においては一般成人と同様に扱われますが、後期高齢者においては高LDLコレステロール血症と動脈硬化性疾患の発症との関係が弱いため、「その治療に関する意義は明らかでなく主治医の判断で個々の患者に対応する」とされています。脂質異常症の治療では、食事療法が基本です。家族性高コレステロール血症などの特殊な病型を除けば、食事療法で十分な改善が得られることも多いです。閉経後女性では肥満が増えていることからも、摂取エネルギーの適正化を図ることが重要となります。また、閉経後女性の肥満や運動不足が増えていることからも、運動習慣を日々の生活に取り入れることが望ましいです。運動は消費エネルギーの増大と代謝改善を通じて、脂質異常症、肥満、糖代謝異常などの高齢者では、理想の体重は若い人よりも高めです。高齢者では、少し太っているくらいの方が、死亡率が低くなることが知られています。免疫力が高くなったり、骨も丈夫になるからです。また、高齢者では、一般的に食事量が少ないため、厳しい食事療法は栄養状態を悪くしてしまうため注意する必要があります。また、運動療法についても、ひざや腰の痛みを抱えていることがあり、それらの悪化を招くこともあるため、それぞれに適した運動を行います。スタチンは高齢者において新たな このページではJavaScriptを使用しています。 Cholesterol Lowering in Intermediate-Risk Persons without Cardiovascular Disease.生活習慣の改善を行い、さらに LDL-C 低下療法を行って LDL-C が管理目標値を達成してもなお、中性脂肪が高い場合は、これを下げる治療を行います。動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017脂質異常症という病気は、循環器内科: 心臓病の予防をしたいという観点で、それぞれ治療にあたっていると言えます。逆に、どこの診療科が専門であるかは決めがたい疾患です。認知症を来している → 脳神経内科一方、まだ合併症を起こしてない方については、どこの診療科で治療するのかについては重要ではありません。脂質異常症の治療の目的は上記のように「合併症を予防すること」にあるわけであり、検査値の是正それ自体は目的ではありません。検査値の是正は、合併症予防という目的達成のための「手段」に過ぎないわけです。従って、「『どのような手段で』『どの数値まで』検査値を是正したときに、合併症の出現が最小化されるのか」は常に検証・議論されなければなりません。幸いにして、本邦ではこの問題に対する研究が常に行われ、統計学的データとして蓄積され、さらには論文として発表されています。そして、ガイドライン作成のプロセスでは、この研究・統計学的データが科学的根拠の高さ (evidence level, エビデンスレベル)により分類され、 治療の推奨グレードが設定されます。つまり、当院では、最新版の診療ガイドラインに準拠した診療を行っています。動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017脂質異常症治療ガイド最新版ガイドラインによる変更点 (*)* 著作権の関係上、列挙はできませんし、具体的な薬剤名・数値の言及も行えません。・リスク評価を死亡ではなく合併症の発症時をアウトカムとしたもので行えるようになった。絶対リスクの算出がより高精度となった。当院では上記のような変更点にも既に留意し、当ページ内の 生活習慣病 (下記を含みます)・高血圧症についての記事一覧は院長の安部芳武です。次のような効果が得られれば良いと考えています。(1)地域の皆様に正しい医学知識を得て頂く。(2)正しい受診行動につながり、合併症の出現前に病気が正しく治療される。(3)地域の健康寿命が延長される。このため、診察室での情報提供のみならず、Web サイトでの情報発信にも力を入れています。生活習慣病・脳内科あべクリニック[開設者]院長 安部芳武[住所]〒 870-0128 大分県大分市大字森402番5[電話番号]097-578-6311[Web]brain-abe-clinic.org[診療時間](1) 09:00 - 13:00 | 14:00-18:00 (月 火 水 金)(2) 09:00 - 13:00 (木 土)[診療科目]脳神経内科 内科 皮膚科 アレルギー科Yoshitake Abe, M.D., Ph.D. All Rights Reserved. 血液中の脂肪が多くなったり少なくなったりする状態で起こりうるのが脂質異常症です。 前立腺肥大症の原因は加齢が一番の要因として考えられています。70歳以上の男性の約70%以上が前立腺肥大症になっていることからも分かります。加齢以外の原因は、遺伝的要因、食生活、高血圧、高血糖、肥満、脂質異常などとの関係も指摘されています。