フジゲン 使用 アーティスト
もっとおすすめしたい!実はすごい国内ベースメーカーを紹介するよ! 2017.8.3. フェンダージャパン(フジゲン)ギターの選び方 ギター選びで迷ったらまずは基本部分の仕立ての良さ、素材を見ていきましょう。 そして手が加えられているかどうかも重要な判断基準です。 1972年に宮坂虎吉(創業者)が楽器製造工場として設立した。 1997年にフジゲンがフェンダーから撤退したのを機に、本格的に直接fenderのoemを始める。 2013年10月より自社ブランドを開始。同年10月17日から19日にかけて諏訪圏工業メッセに於いて自社ブランドを発表。 以上、フジゲン株式会社の今福さんにお話を伺いました。内外の有名アーティストが使用するギターを作ってきたという業績の中で、自分のカラーよりも「フジゲンのギターである」ということを重視したというお話に、工場に勤務するクラフトマンの「職人気質」を見た気がします。 エレキギターの総合情報サイトフジゲン株式会社は1960年からギターの生産を続けており、多くのブランドのOEM生産を引き受けています。1983年には「エレキギターの年間生産量」で世界一になったこともあり、実績に裏打ちされた加工技術と製品の品質が世界的に評価されています。現在では自社ブランド「今回はその生産拠点である「フジゲン株式会社大町工場(長野県大町市)」を訪れ、MI事業部国内営業部課長の今福三郎(いまふくさぶろう)さんに、さまざまなことをお聞きしました。春休みもそろそろ終わる4月初旬というタイミングでしたがいまだに積雪があり、朝晩の冷え込みは氷点下に達するとのことです。──宜しくお願いします。「フジゲン」ブランドでさまざまなモデルがリリースされていますが、どのモデルが人気でしょうか。私は「FL」が大のお気に入りで、個人的にオーダーしようとも思っています。レスポールを弾いていた時期もあったんですが、重さと演奏性、重量バランスに不満を感じていました。「FL」はネックの仕込み角度を緩やかにすることで弦のテンション感を抑え、ヒールを滑らかにカットすることで最終フレットまでストレスなく使用できます。ヒールカットを施すと弾きやすくなりすが、削れば削るほど「低音の明瞭度を損なう」というデメリットがあります。それに対処するため、ヒール部分の厚みを増やし、また深くジョイントすることで、遜色ない明瞭な低音を実現しています。個人的にはレスポールより良いとまで思っています。ギターの「音」を決めるのは、ピックアップではないんです。ピックアップの仕事は「弦振動を拾う」ことだけで、その「弦振動をどうするか」が最も重要です。SHARA(石原慎一郎氏。EARTHSHAKER所属)さんは、この「FL」を3本お持ちです。もともと70年代のギブソン・レスポール(重いことで有名)を使用なさっていたんですが、メインギターをいよいよ変更するというときにSHARAさんに向けて製作した「FL」をお見せして、「これを待っていた」というお言葉を頂きました。フジゲンブランドのギターには、どのモデルにも「サークルフレット(サークルフレッティングシステム)」が採用されています。いっぽう「円錐指板(コンパウンドラディアス指板)」は、ストレートヘッド(ヘッドに角度が付いていない、フェンダースタイルのヘッド)のギターにのみ採用されています。円錐指板はもともと、指板Rのきついフェンダー的なギターのために開発されたものです。指板Rがきついギターは、ハイポジションでチョーキングした時に弦がビビりやすく、弦高を下げられません。しかしローポジションでの演奏性を考えると、きついRを捨てがたいわけです。いっぽう指板Rのゆるいギターではこの問題が起こらないので、円錐指板は採用していません。──「フジゲン」ブランドのギターには「FGN」と「FUJIGEN」という二種類のロゴが使用されています。これはどういう使い分けなのでしょうか。──カタログを拝見すると、上位モデルにも「ポリエステル塗装」が採用されていると書かれています。ポリエステル塗装は、安いギターに向けたものではないのでしょうか。昔はラッカーしかなくて、家具でもギターでもラッカーが使用されていました。それからポリウレタン、ポリエステルの順に発明されていきましたが、塗料は今なお進化を続けています。フジゲンはカーパーツの製造もやっていますが、こちらの分野ではとてつもない品質の仕上がりが求められますし、温度や湿度の変化に耐える高いレベルの「耐候性」が必須です。そんなわけで常に最新の塗料が導入されますが、ギターでも同じ塗装を採用しています。ギターのノウハウから始めたカーパーツですが、カーパーツのノウハウがギターに応用されてもいるんです。とはいえポリエステルも「万能」というわけではありません。濃い色は良好に発色しますが、ポリエステル自体に色が付いていますから淡いカラーリングではポリウレタンを使用するなど、使い分けをしています。アコースティックギターでもポリウレタンです。──フジゲンブランドのギターは、スペックの割に価格が抑えられています。どうしてこの価格が実現できるのでしょうか。また、製品の評判はいかがですか?8年ほど前に海外進出を果たしており、特にドイツを中心としたヨーロッパで確実にシェアを広げています。「フジゲン」は比較的求めやすい価格の「普及品」を得意としています。競合ブランドも多いですが、おかげさまで業績は右肩上がりです。いわゆる大手の「成熟したブランド」はなかなか業績を伸ばしにくいものですが、フジゲンはまだまだ延びしろがたっぷりあるブランドです。私は今年で定年ですが、若いスタッフたちには引き続きどんどん前進して欲しいと願っています。──主にエレキギターを生産していたフジゲンが、アコースティックギターを企画していますね。どんなものなのでしょうか。アコースティックギターはこの40年というもの生産をしておらず、弊社が得意とする分野ではありません。しかし6~7年前に企画が立ち上がり、何度か試作を繰り返して現在の姿にたどり着きました。製品は工場で着々と生産しており、充分な台数になったら販売を開始する予定です。プロトタイプはピンを使用しないブリッジになっていますが、製品版は木製のブリッジピンを使用しています。──かわいらしいボディシェイプです。スタンダードタイプではなく、いきなりオリジナルシェイプに行ったんですね!またマットなホワイトは木目が確認できるシースルーで、高級感があります。──確かにこのネックのスリムな感触は、エレキギターのユーザーにとって馴染みやすいと思います。またピックでのメロディ弾きに、不思議な弾きやすさを感じます。チョーキングにもさほど無理がありません。普通にコードをかき鳴らすのも、アルペジオも弾きやすいですし、明瞭なサウンドは弾いていて心地よいです。適度なジャリ感のある音は、バンドアンサンブルでも使いやすそうですね。それにしても、世界的に有名なメーカーが満を持して発表するモデルとしては、かなり攻めた設計ですね!──フジゲンの十八番(おはこ)、「サークルフレット」を打ち込む様子は見せていただけますか?サークルフレットについては、弊社は日米中で特許を取っています。しかしあと2年ほどで特許期間が満了となりますから、どの企業でもサークルフレットのギターを生産することができるようになります。注:現在「──たとえばファンフレットを取り入れた「マルチスケール・サークルフレット」は可能なのでしょうか。サークルフレットのコンセプトは、ファンフレットは弦と直交しませんね。その意味でサークルフレットとマルチスケールは相反するコンセプトですから、たとえ技術的に可能だったとしても、わざわざやる意味はないと思いますよ。──定年を控えているとのことですね。これまでどんなお仕事をしてきましたか?また、次の世代には何を期待しますか?アーティストさんの依頼で、ギターの1~5弦、ベースの2~4弦を一本のネックに張って、ベースとギターが一度に弾ける「β(ベータ)」という楽器を作ったこともありました。アーティストにお渡しするギターを作る時は、アーティストさんの望む音を作らなければなりませんから、いつも大変でした。音源を聞いて、プレイスタイルもチェックして、とやっていくと「こういう音が欲しい」という像が分かってきます。それに加えて弾き心地に対する要求にも応じる必要がありますから、そのバランスをとるのには苦労しましたね。そのために弊社のレギュラーモデルやプロトタイプを弾いてもらって意見を伺って、というやりとりを重ねていくわけです。しかしさすがにもうすぐ還暦ですから、若い人たちに譲っていこうと考えています。今は一人にあれもこれも、という態勢ではありませんが、それぞれの部署から若い世代が育ってきています。ギター製作についても、腕のいいのがカスタムハウスにいます。会社組織は生き物ですから、人が出たり入ったりという「新陳代謝」がないと停滞してしまいます。一人がどーんと構えているのは、会社としては良くありません。私はこれまで何をするにしても、「フジゲン色」を出しても「今福色」は出さないようにしてきました。私の後を引き受けてくれる人たちにも、今後も「フジゲン」というブランドを高めていく努力を続けてほしいと願っています。「ストラトのリアの音」や「テレキャスターのミックスの音」みたいな、音だけで分かる「素の音」ってあるじゃないですか。フジゲンのギターでそういう音を作って、「この楽器があったから、この音楽が生まれた」という結果を残せたら、そしてその音楽がたくさんの人の共感を得ることができたら、最高ですね。──今後、どんな人に入社して欲しいと思いますか?OEMだからと言ってもクライアントさんと一緒になって作りますから、どの社員も自分の会社のギターのように思って作っています。もちろん他社のブランドですが、ひとたびフジゲン株式会社の生産ラインに入ったら、フジゲンだろうと他社ブランドだろうと、任されたポジションに対して責任を持ってしっかり仕事をしてくれます。しかし、手間をかけすぎて生産効率が上がらないのもいけません。そういう意味で、フジゲンの社員はまじめで手を抜かないし、それでいて効率よく働いて、望まれた品質をしっかり守ってくれます。社内にも外注さんにも、私の知っている「職人」の中に、手が遅い人はいません。皆さん手が速く、そして恐ろしい水準の仕事をします。──退職されるのが、なんだかもったいないですね。会社が辞めさせてくれないのではないでしょうか。以上、フジゲン株式会社の今福さんにお話を伺いました。内外の有名アーティストが使用するギターを作ってきたという業績の中で、自分のカラーよりも「フジゲンのギターである」ということを重視したというお話に、工場に勤務するクラフトマンの「職人気質」を見た気がします。さて次は、今福さんにフジゲン株式会社大町工場を案内して頂きます。Fujigenのギターを…「エレキギター博士」はこれからエレキギターを始めるギター初心者向け入門講座から、エレキギターの種類やシールド・ピックアップ・ギターアンプ・エフェクターなどのギター周辺機器について、またギターの練習方法やコード理論など、エレキギターに関する様々なことを知ることができる総合エレキギターサイト。初心者にはわかりやすく、中級者が見ても楽しめるように工夫しています。