オリンピック 辞退 違約金
東京2020オリンピックパラリンピックが2020年7月予定されています。しかし、中国・武漢で発生した新型肺炎は日本政府の対応も遅れたためか、日本国内での感染者や死亡者を出してしまい、全国に広がりつつあります。今回は、東京オリンピック中止の賠償金を予算や過去の事例から試算していきます。また、オリンピック辞退・返上の違約金やペナルティについても紹介します。目次東京オリンピック中止の賠償金はいくらになるのか試算していきます。2020年1月末に中国・武漢で発生した新型肺炎・コロナウイルスは日本にも多くの感染者・死亡者を出し、3月1日に実施される東京マラソンにも影響し、一般参加の中止が行われました。アジア地域で行われる予定だったスポーツイベントが開催延期・中止を決定していく中で、2020年7月から開催予定の東京オリンピックに関して安倍首相や大会組織委員会・会長の森喜朗は延期・中止の可能性を否定しました。 日本国内でも東京オリンピックの7月開催を延期すべきだという意見は、マラソンの開催地が夏の東京の気温を鑑みて札幌へと急遽変更になった時など、今までにも言われ続けていました。実際に、2月12日から13日にかけて中国・杭州で行われる予定だったアジア室内選手権は中止されており、3月13日から15日にかけて中国・南京で行われる予定だった陸上の世界室内選手権も2021年3月に延期されました。世界陸連はこの決定に際し、「WHO(世界保健機関)と連携し、コロナウイルスの拡大感染は依然として懸念レベルにあり、延期できる大規模な集会を誰も進めてはならない」と声明を発しています。オリンピックに関しても、2022年の北京冬季オリンピックのテストイベントが北京北西部で2月15日から16日の予定で行われる予定でしたが中止になりました。オリンピックに出場した選手たちも、コロナウイルスへの注意を促す発言をしています。夏季オリンピックの水泳競技で10個のメダルを獲得したゲーリー・ホール・ジュニアは「アスリートの安全と健康は何よりも重要だ」と話しています。東京オリンピックを中止した際に考えられる賠償金を試算する上で、今までに東京オリンピックの開催に向けて、どれくらいの費用がかかっているのか?その総額を知る必要があります。2019年12月20日に大会組織委員会は現在、バージョン4になっており2018年12月21日に掲載されたバージョン3よりも30億円増額しています。これは、マラソンの開催地が札幌へと変更になったための費用です。組織委員会の予算では、支出総額6030億円となっています。6300億円の収入に対し、残された270億円は予備費として「今後予期せずに発生し得る事態等に対処するための予算」とされています。 大会組織委員会の予算だけでなく、全体を通した予算としてはもし、東京オリンピックが中止となれば、単純に予算として計上されている費用分のお金が無駄になる可能性が高いです。もちろん新国立競技場は今後のイベント・コンサートなどでの利用が見込めたり、インフラ整備は今後も活用することが可能です。ただし、運営にあたって発生した支出はそのままマイナスとなり得ます。 支出合計の1兆3500億円は、当初の小規模で経済的にも優しいオリンピックという目標からは大きく外れていますが、直近のものからいくつか紹介するとこのようになっています。今の日本の置かれている状況を考えると、2016年のブラジル・リオオリンピックと似た結果になり得ます。2016年のブラジルはジカ熱という伝染病の問題を抱えており、さらには治安が問題視されていました。東京オリンピックも新型肺炎や東日本大震災による放射能汚染といった問題を抱えています。仮に開催できたとしても、思っていたような売り上げが見込めずにリオオリンピックと同じように2000億円の赤字になり得ます。それでも、東京オリンピックを中止にしてしまうよりはマシだと大会組織委員会やIOCは考えているのでしょうか。 新たな雇用の創出も194万人規模で生まれると言われていますが、これらはすべて問題なく東京オリンピック・パラリンピックが開催すればの話です。今までにオリンピックが開催中止となった例は5件ありますが、第一次世界大戦・第二次世界大戦といった止むを得ない事情によるものだったこともあり、賠償金が発生したというデータは見当たりませんでした。今回、東京オリンピックが新型肺炎を理由に開催中止となった場合に、IOCから賠償金を請求される可能性はありますが、ただ、もしIOCが賠償金を請求することを決定し、さらには東京オリンピック開催にあたりスポンサー契約をした企業や私たちチケットを購入した人たちが返金を求めた場合に、賠償金はいくらになるかを試算して見ます。 東京オリンピックの開催にあたり、予算を捻出するためにが主な収入源となっています。それぞれを明確に突き止めることはできませんが、このようになっています。ライセンシングとは、スポンサーの一種で東京オリンピックの関連商品を販売したりロゴを使ったりする権利を買うことを指します。国内スポンサーは62社に及びます。企業数の内訳はこのようになっています。 TOPスポンサーの中には日本企業としてが含まれており、TOPスポンサーはIOCと個別に取引を行っています。少なくとも収入として計上されている6300億円は賠償の対象となりますし、恒久施設費用などを含めれば1兆3500億円が賠償の対象になるでしょう。ただし、この中には税金も含まれているので、どこまで補填されるのかは定かではないので、 また、IOCは2013年から2016年までの収益源を次のように2013年から2016年の間に夏季・冬季のオリンピックが行われており、その収益の合計が5671億円となります。夏季・冬季や開催地や人気選手の存在などで変動しますが、単純計算でIOCが東京オリンピックの負担金だけでなく、本来見込めるはずだった収益も賠償しろと言ってくれば2835億円も賠償の対象となりえます。 さらに、予算として組み込まれていませんが日本企業の中には東京オリンピック・パラリンピックに合わせて改装したホテルなどもあるので、そうした企業も損害賠償を請求すればさらに総額は膨らみます。 まとめると次のようになります。今までにオリンピック中止による賠償金が支払われたという話が見当たらないため、実際に賠償請求されればどうなるのかが定かではありません。TOPスポンサーの多くは外国企業であり、放映権をすでに購入しているテレビ局は世界中に存在します。そのことを考えれば、9135億円ではまったく足りないと言えるでしょう。万が一、東京オリンピックが中止になり、賠償金の請求が行われた場合、東京都と日本政府が連帯して賠償する義務を負います。では、その財源はどこから出るのでしょうか?予備費は270億円存在しますが、全く足りません。考えたくはありませんが、支払えない負債のしわ寄せは私たち国民に押し付けられる可能性が高いです。企業を守るために法人税を下げる代わりに税収全体はさほど増えていないにもかかわらず、そのしわ寄せは消費税の増税に姿を変えました。同じように、消費税の増税が東京オリンピック中止の賠償金のために行われるかもしれません。オリンピック辞退・返上の違約金やペナルティはどのようになっているのでしょうか?オリンピックの開催取り消しに関する規約がオリンピック憲章に記載されています。36 責任-オリンピック競技大会の開催取り消し引用:あくまで「オリンピック憲章違反、IOCの規則や指示の不履行または義務違反」があった場合に関するものなので、新型肺炎に伴って中止をした場合が当てはまるとは言えません。 現実的に考えれば、むしろスポーツ選手や観客のことを思った英断とも言えるため、IOCが中止による賠償請求を行うとは思えません。しかし、あくまでも過去にオリンピックが中止・返上されたことはありますが、近年の商業的なオリンピックになる前に起こったものなのであまり参考にはなりません。第二次世界大戦などの戦争を理由としていないものには、1976年のデンバー冬季オリンピックが自然破壊を理由に住民による反対運動が行われ、1972年に返上が決定しています。返上したとしても、オリンピック大会の実施まで4年の猶予があることや時代的な要因もあり、東京オリンピックが今から反対運動で返上した場合にどうなるかは未知数です。オリンピック辞退・返上によるペナルティはあくまでもオリンピック憲章違反や不履行・義務違反があった場合にはペナルティがあるという形です。事情を踏まえればこちらも賠償金・違約金と同じく、ペナルティとして資格を剥奪される可能性は低いと考えられます。 ただし、IOCの決めたことが絶対でもあるため、といった決定がなされる可能性はゼロではありません。アジア地域で行われる予定だったスポーツイベントが開催延期・中止を決定していく中で、2020年7月から開催予定の東京オリンピックに関して安倍首相や大会組織委員会・会長の森喜朗は延期・中止の可能性を否定しました。支出合計の1兆3500億円は、当初の小規模で経済的にも優しいオリンピックという目標からは大きく外れていますが、スポンサーなどに6300億円、IOCに2835億円と考えた場合の賠償金の合計は9135億円に上ります。消費税の増税が東京オリンピック中止の賠償金のために行われるかもしれません。あくまで「オリンピック憲章違反、IOCの規則や指示の不履行または義務違反」があった場合に関するものなので、新型肺炎に伴って中止をした場合が当てはまるとは言えません。オリンピック辞退・返上によるペナルティは いつもたくさんのコメントありがとうございます。他にも様々な情報がありましたら、またコメント欄に書いてくださるとうれしいです。