核酸 医薬 薬価
AnswersNews - 製薬業界で話題のニュースがよくわかる AnswersNews - 製薬業界で話題のニュースがよくわかる 薬価:80mg1錠 5,067.40円 (1日薬価:30,404.40円) 市場予測(ピーク時4年後):投与患者数119人、販売金額11億円 核酸医薬品ニュースアンチセンス、アプタマー、RNAi関連医薬開発動向などの最新情報を皆様に!当ブログ掲載の核酸医薬品業界情報をメールで配信中です。受信ご希望の方は、 平素、核酸医薬ニュースをご愛顧賜りまして誠にありがとうございます。 東京都の一日の感染者数が、やっと一桁台まで落ち着いてきました。自粛解除までもう暫くの辛抱といったところでしょうか。私の計算では、23日に緊急事態宣言の解除基準を達成の予定です。 さて、皆様、June 1-4開催の「2020 TIDES DIGITAL WEEK 2020 WEBINARS」をご存知ですか?100% complimentaryです。お時間のある方は是非ご登録ください。Webinarの詳細と登録は以下のURLから。 弱毒化されたジフテリア毒素をsiRNAに結合させることにより、効率的に細胞質にsiRNAをデリバリーする方法に関する論文がScience Advancesに出ていましたのでご紹介します。 ご参考まで、Celgeneが開発を断念したGED-0301(クローン病を対象とした経口投与アンチセンス)のP3試験結果がThe American Journal of Gastroenterologyにオンライン掲載されています。 ビルテプソ点滴静注250mg (ビルトラルセン、日本新薬)が薬価収載されました。250mg5mL1瓶 91,136円です。詳細、新医薬品一覧表(令和2年5月20日収載予定)でご確認ください。日本新薬による売り上げピーク予測は、上市3年後、54億円となっています。 一方、核酸医薬ではありませんが、遺伝子治療薬の「ゾルゲンスマ」も20日の薬価収載(167,077,222円/患者あたり)となりました。「スピンラザ」を比較薬とする類似薬効比較方式Iで算定されています。ご参考まで、同製品の「再生医療等製品の保険償還価格の算定について」は以下のURLで入手可能です。ノバルティスによるピーク時販売予測は、42億円(発売2年目)となっています。有用性加算(I)はAの40%、先駆け審査指定制度加算がAの10%です。 2020年5月1日か15日までの「核酸医薬業界情報」は、以下、14件です。 【核酸医薬業界情報】 1.GeneTx Biotherapeutics LLCとUltragenyx Pharmaceutical Inc.、Angelman症候群(AS)を対象とする治験薬アンチセンスオリゴヌクレオチドGTX-102がFast Track 指定(2020/5/4) 2.Alnylam Pharmaceuticals, Inc.とVir Biotechnology, Inc.、COVID-19の治療のための候補化合物(VIR-2703(ALN-COV):ウイルス遺伝子を標的)を同定しIND申請へ(2020/5/4) 3.InteRNA Technologies、固形癌を対象としたINT-1B3(miR-193a-3p mimicのLNP製剤)のP1試験開始を規制当局が承認(2020/5/6) 4.Stoke Therapeutics, Inc.、最も一般的な遺伝性視神経障害の主な原因であるOPA1タンパク質欠乏症にを対象としたアンチセンスによるin VitroおよびIn Vivoでの標的タンパク質のアップレギュレーションを示す前臨床データを発表(2020/5/12) 5.Dyne Therapeutics、 FORCE™ platformを介したexon-skipping antisenseの有効なデリバリーを証明する試験結果を発表(2020/5/12) 6.日本新薬株式会社、核酸医薬品 NS-065/NCNP-01(ビルトラルセン)第三相臨床試験開始(2020/5/12) 7.日本新薬株式会社、新型コロナウイルス薬開発へ(2020/5/13) 8.株式会社リボミック、米国 RBM-007の第Ⅱ相臨床試験の患者登録を再開(2020/5/7) 9.株式会社リボミック、軟骨無形成症治療薬(RBM-007)の国内治験申請が許可(2020/5/11) 10.株式会社リボミック、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬の開発に着手(2020/5/12) 11.Phio Pharmaceuticals Corp.、固形腫瘍の治療におけるCRISPR / Cas9などの遺伝子編集技術を代替する、または補完的なアプローチを提供する遺伝子サイレンシング技術としてのINTASYLプラットフォームの適用性に関するデータを発表(2020/5/14) 12.DTx Pharma, Inc.、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、前頭側頭型認知症などのタウ介在性疾患を対象とした創薬研究を推進するため、アルツハイマーズアソシエーションとレインウォーターチャリタブルファンデーションから400,000ドルの研究助成金を獲得(2020/5/13) 13.Aptahem AB、抗炎症性、抗凝固性、臓器保護性を備えたRNAアプタマー(Apta-1)に関する国際特許出願状況について発表(2020/5/14) 14.Akcea Therapeutics, Inc.、スペイン保健省(MSCBS)がTEGSEDI®(イノテルセン)を承認(2020/5/14)  それでは、本日はこれにて失礼いたします。皆様、季節の変わり目でもあります。体調管理には十分ご留意ください。 野澤 遺伝子治療薬と核酸医薬 国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部第1室 平成22年度一般公開2010.7.30.

承認まで1年4カ月…先駆け指定の「ゾルゲンスマ」審査はなぜ長引いたのか【再生医療・医療機器・診断薬】先駆け審査指定制度、対象品目の一覧と開発状況まとめ【医薬品】先駆け審査指定制度、対象品目の一覧と開発状況まとめ薬価に「費用対効果評価」4月に本格導入―制度骨子のポイントは新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ【COVID-19】(7月17日UPDATE)相次いで発表された有望な臨床試験結果…新型コロナワクチンへの期待高まる新型コロナウイルス 抗体の急速な低下、ワクチン開発の課題に【2020年版】製薬会社年収ランキング 1000万円超えは11社 中外も大台に…トップは今年もソレイジア きょう保険適用されたノバルティスファーマの脊髄性筋萎縮症向け遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」。1億6700万円という史上最高の薬価はどう決まったのでしょうか。INDEX 5月20日、ノバルティスファーマの脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」(一般名・オナセムノゲン アベパルボベク)が薬価収載され、保険適用になりました。薬価は1患者あたり1億6707万7222円。単価としては国内最高で、日本で初めて「億超え」の新薬が登場しました。 SMAは、SMN1遺伝子(SMN=Survival of Motor Neuron=運動神経細胞生存)の機能欠損が原因で起こる遺伝性の難病。運動ニューロンの正常な機能を維持するのに必要なSMNタンパク質が十分に産生されず、骨格筋を支配する脊髄前駆細胞が変性・消失し、筋肉の萎縮と筋力の低下をきたします。生後6カ月までに発症する「I型(乳児型)」の場合、患者の9割以上が生後20カ月までに死亡するか、永続的な呼吸管理が必要な状態になるとされています。 ゾルゲンスマは、アデノ随伴ウイルス(AAV)にSMAの根本原因であるSMN1遺伝子を組み込んだ遺伝子治療薬。正常な遺伝子を補うことでSMNタンパク質を産生させ、生命予後と運動機能を改善します。投与されたSMN1遺伝子は長期間安定して存在するよう設計されており、1回の投与で長期にわたって効果を発揮すると考えられています。 I型SMA患者15人を対象に行われた海外臨床第1相(P1)試験(CL-101試験)では、「13.6カ月齢に達した時点」と「投与後24カ月のフォローアップを完了した時点」のいずれでも被験者全員が永続的な呼吸補助なしに生存。投与後24カ月の時点では、承認用量群の11例中9例で「30秒支えなしで座る」「寝返りをする」が可能になるといった有効性が示されています。 SMAでは、2019年7月にバイオジェン・ジャパンの「スピンラザ」(ヌシネルセンナトリウム)が承認されており、ゾルゲンスマの薬価はスピンラザを比較薬とする類似薬効比較方式で算定されました。 スピンラザは、SMN1遺伝子のバックアップ遺伝子であるSMN2遺伝子がタンパク質を産生する過程に作用し、正常なSMNタンパク質を産生させるアンチセンス核酸医薬。通常だと、SMN2遺伝子が産生するSNMタンパク質は不完全なものですが、スピンラザはSMN2遺伝子のmRNA前駆体に結合し、スプライシングを変えることで、正常なSMNタンパク質の産生を増やします。ただし、ゾルゲンスマのように1回で投与は完結せず、導入時に4回(初回投与後、2週、4週、9週に投与)投与したあと、4カ月間隔で投与を続けなければなりません(乳児型の場合)。  ゾルゲンスマの薬価が超高額になったのは、1回の投与で長期にわたる有効性が確認されたからです。薬価算定では、ゾルゲンスマを使うことでスピンラザの投与が不要になる期間を計算し、その期間に投与されるはずだったスピンラザ11本分の薬剤費(949万3024円×11=1億422万3264円)をベースに薬価を算出。▽正常遺伝子を導入するという新規の作用機序を持つ▽1回の治療で長期間の有効性が認められる――などが評価されて有用性加算I(加算率50%)がついたほか、先駆け審査指定制度加算(同10%)も加わり、結果としてスピンラザ11本分の価格に60%が上乗せされました。 薬価算定組織は当初、有用性加算Iの加算率を40%としていましたが、「画期的な有効性などをさらに評価すべき」とのノバルティスからの不服意見を受け、▽原理的には根治の可能性がある▽1回投与で患者負担が軽減される――などを追加で評価。加算率を50%に引き上げ、結果として1億6700万円という史上最高の薬価になりました。  ゾルゲンスマのピーク時の予測売上高は年間42億円(予測投与患者数は年間25人)。市場規模はスピンラザより小さいものの、ゾルゲンスマは薬の費用対効果を薬価に反映する費用対効果評価の対象となりました。難病の治療薬は費用対効果評価の対象外とするのが原則ですが、ゾルゲンスマは「著しく薬価が高い」と判断されたためです。 一方、ゾルゲンスマの薬価収載を審議した5月13日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会では、ノバルティス側の不手際で承認審査が長期化したにもかかわらず、先駆け審査指定制度加算が適用されたことに疑問の声が上がりました。 先駆け審査指定制度の対象品目は申請から半年程度で承認されるのが通常ですが、ゾルゲンスマは倍以上となる1年4カ月もの時間を要しました。医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公表した審査報告書では、先駆け審査指定制度で審査期間を短縮するためのプロセスをノバルティスが無視していたことなどが明らかになっています(詳しくは 「命に関わることなので、患者・家族は本当に薬を待っていたと思う。企業側の不手際で遅れたにもかかわらず、加算が適用されるのは理解できない」「先駆け審査指定制度を使っていないのに加算がつくのは極めて問題だ」。13日の中医協では、委員からこうした指摘が相次ぎました。厚生労働省は、先駆け審査指定制度の対象品目であれば自動的に加算が適用される仕組みをどうするのか、2022年度の次期薬価制度改革に向けて検討していく考えです。 (前田雄樹)