認知症 徘徊 警察

みんなの介護入居相談センター 生き別れ・失踪・生死不明など、「人探し」に関する疑問を解決します。 ※入居に関する相談用のフリーダイヤルです。求人・入居者への連絡・電話番号等の案内は承っておりません。 【図解】グループホームとは?認知症ケアの特徴や入居条件、メリット・デメリットを解説安心して暮らせる老人ホームが 徘徊の可能性のある認知症などの人のために埼玉県の新座市が認知症などによる行方不明者の早期発見、早期安全確保のため、徘徊の可能性がある人の靴などに貼るステッカーを配布しています。 このステッカーは当事者が要支援、要介護認定を受けていて、認知症と診断… メニュー徘徊とは、認知症の中核症状の影響で現れるBPSD(周辺症状)のひとつです。認知症になると必ず現れるわけではありませんが、家族にとってはできれば避けたい症状です。徘徊が起きると、命の危険をともなった行動を起こすことがあります。以下は、実際に起きている行動の例です。認知症になると判断力が低下するため、また、外出先から帰れなくなって歩き回っていると、衰弱して生命の危機に陥ることもあります。転倒をして骨折するようなことがあると、高齢者の場合はそのまま寝たきりになってしまうケースもあります。記憶障害とは、物事の記憶するための能力が低下してしまっている状態を指します。わかりやすい例を挙げると、夕食のメニューが思い出せないのは単なるもの忘れですが、夕食を食べたこと自体を忘れて記憶からすっぽり抜け落ちるのが記憶障害です。初期の段階では新しい出来事ほど覚えられず、古い記憶ほど覚えているという特徴があります。徘徊の症状としては、見当識とは、この機能が低下する認知症の中核症状を「見当識障害」と言います。症状が進むと、目の前にいる家族のことが誰だかわからなくなることもあります。また、慣れている場所に出かけても突然帰り道がわからなくなり、そのまま迷って徘徊に至るケースもあるようです。認知症によって物事を理解したり決めたりする判断力が低下することがあり、これを「判断力障害」と言います。いずれも、正しい判断ができなくなる判断力障害によく見られる症状です。そのほか、認知症の症状は、大きく分けて2つあります。脳の働きが低下することで現れる中核症状と、それに心理的なストレスや不安などが重なると現れやすいBPSD(周辺症状)です。徘徊は、後者のBPSDに該当されます。例えば、記憶障害によって現在の状況を忘れると、過去の習慣を行わないことに不安を感じることがあります。また、本人としては人ごみから離れて静かな場所に行きたかっただけなのですが、長時間見つからなければ徘徊とみなされてしまうのです。認知症の方は周囲の環境が変化したり、知らない場所に連れていかれたりすると、私たちが想像する以上に不安やストレスを感じます。認知症には複数の種類があり、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、そして前頭側頭型認知症が4大認知症として知られています。前頭側頭型認知症による徘徊は、アルツハイマー型認知症などの徘徊とは少し違った現れ方をします。一般的に、常同行動の例としては、家の中では「ベッドから起床して必ず同じコースで家の中を一周し、またベッドに戻ってくる」といった行動を、1年中欠かさずに行うといったことがあります。これは一般的にイメージされる徘徊とは違いますが、徘徊の一種だと考える見方もあります。アルツハイマー型認知症などの徘徊と違って、何かを探し回ったり、目的の場所に行こうとするものではないため、行方不明になるリスクは少ないと言えます。ただし、症状が出ている間は周囲に注意が向かないので、事故に遭う危険性があります。そのため、家族や介護者が見守る必要があるという点は、ほかの徘徊と同様です。ここまでで、徘徊する原因について見てきましたが、介護をするときに大切なのは、私たちが外出するのと同じように、例えば、引っ越しを機に徘徊が始まったのであれば、以前に住んでいた家へ帰ろうとしている可能性があります。ただし、いくら歩いても目的地に着かないので、そのうち何のために歩いているのかを忘れ、ただひたすら歩き続けているという状態になります。そうなると、驚くほど遠くまで行ってしまったり、行方不明になってしまったりするケースもあります。また、電車が通過している踏切内に侵入したり、車道に飛び出したりして事故に遭う危険も出てきます。徘徊というと、ふらふらとおぼつかない足取りで歩いているイメージがあるかもしれませんが、普通の足取りで歩く方もいたり、電車やバス、自動車、自転車に乗る方もいます。そのため、もし近所の人が徘徊しているところを見かけたとしても、徘徊だと、いつも通りあいさつを交わして別れてしまうことも少なくありません。認知症の方が徘徊によって行方不明になっているという方の数は、年間1万5千人以上にものぼっています。大切な家族を守るためにも正しい知識を身につけ、適切に対応するようにしましょう。先述したように、徘徊をする方は理由もなくただ歩き回っているわけではありません。その方なりに理由があるので、そのようなことを繰り返すなかで本人の気持ちがわかれば、徘徊をしたからといって怒鳴ったり、叱ったりするのは望ましくありません。認知症では記憶などの知的機能は衰えますが、感情の機能がなくなるわけではないのです。徘徊の症状が出ると慌てて止めようとしますが、問題ないと判断できればそのまま歩かせてあげる方が良いこともあります。ただし、一緒に歩いてみると、迷いやすい道や必ず立ち寄る場所、トイレへ行くタイミングなどがわかる場合があります。認知症の方は良く悪くも、すぐに物事を忘れてしまいます。例えば、自宅でくつろいでいるのに突然「家に帰りたい」と言い出すようなことがあります。その際にもちろんすぐに気がそれるわけではないので、いろいろな方法で誘ってみる必要がありますが、介護の知識がない方でもすぐに取り組める対処法です。徘徊をすることによって発生するリスクを予防するための方法を、以下にまとめました。ぜひ参考にしてください。一度徘徊の症状が出ると、症状自体を完全に消すことはできません。そこで注目されているのがGPS機能の活用です。GPSというのはGlobal Positioning Systemの略で、人工衛星を利用して場所を特定する技術のことです。このGPS機能を活用するには、本人が必ずGPS機器を身につけていなくてはなりません。徘徊が危険だからといって、家のなかに閉じ込めておき、介護者がずっと監視をするというのは倫理的に問題があり、現実的ではありません。そんなとき頼りになるのが、地域にお住まいの方々などの「第三者」の存在です。お住まいの地域の民生委員や自治会の役員、近所の方々には、あらかじめ徘徊の症状がある家族がいることを伝えておきましょう。そうすると、万が一の際にもすぐに見つかる可能性が高くなります。また、その際、身長や髪型などの身体的な特徴をあわせて伝えておきましょう。自治体によっては、徘徊者の見守りネットワークサービスをスタートさせているところもあります。このサービスに登録しておくと、徘徊者の情報を徘徊者を家族だけで探すのには限界があります。「身内の恥だ」と思わず、近隣にお住まいの方々にお願いすることはとても大切です。窓から出てしまうことも考えられるので、窓の鍵にも工夫しましょう。対策をしても外出を完全に防げるわけではありませんが、一定の効果を期待できます。万が一のときに備えて、衣類や靴、持ち物などには名前と連絡先を書いたカードをつけておきましょう。カードは目立たないように襟の裏や服の内側、靴の中などにつけます。いつも持ち歩くバッグなどがある場合は内側のポケットなどに入れておくのも良いでしょう。自尊心が傷つかないように、本人にはわからないように工夫をすることが大切です。徘徊の症状を無理に抑えようとすると、本人にストレスがたまります。適度に外出するのは心身に良い影響を与えるので、安全に通える場所を見つけて定期的に外出するように促しましょう。安全に外出する機会が増えると地理に関する感覚を保ち、自宅へも迷わず帰れるようになります。外出先としては地域の憩いの場や認知症患者のための集い、デイサービスなどがおすすめです。徘徊をする理由に、「居場所がない」「必要とされていない」という孤独感や不安感があります。そのため、認知症の記憶障害では短期記憶は忘れてしまいますが、長期記憶は忘れずに保存されています。長年取り組んできた趣味や仕事があれば、すぐに勘を取り戻して没頭できるようになるでしょう。また、認知症の方を対象に仕事を紹介している団体もあるので、相談してみるのもひとつの手段です。体調が悪くなったり、夜眠れないようなことが続いたりすると、徘徊の症状が出ることがあります。そのため、きっちり時間通りに行動する必要はありませんが、朝起きて太陽の光を浴び、昼間は散歩などで身体を動かし、夜は静かに過ごすと良いでしょう。無理なく生活習慣を整えることで、夜はぐっすりと眠れるようになります。日中に適度な運動をすることも効果的です。無理は禁物ですが、軽めの散歩やストレッチ、ラジオ体操であれば、楽に取り組めるでしょう。誰かの役に立つことや必要とされていることが、認知症による不安を解消し、精神的な安定をもたらします。ひとりで外出できないように玄関の鍵に工夫をしたり、万が一に備えて地域の方々に協力をお願いしていたりしても、徘徊によって行方不明になるケースは後を絶ちません。もし行方不明になるようなことがあれば、迷わずに警察署に捜索願を出しましょう。また、自分たちでなんとかしようと思っているうちにどんどん時間が経ち、本人はその分、遠くへ行ってしまいます。捜索願を出したあとは、地域包括支援センターに相談します。自治体によっては「認知症の見守り・SOSネットワーク」を活用し、認知症の方が行方不明になったときに素早く捜しはじめられる体制を整えているところもあります。ただし、このネットワークは自治体によって取り組み方が違います。徘徊の症状が頻繁に現れるようなら、認知症はかなり進行していると考えるべきでしょう。そうなると、家族の在宅介護は困難になる場合もあります。もし、常に見張っておく必要があるようなら、介護施設への入居を検討してください。本人にとっても、24時間体制で見守ってくれる施設であれば自宅よりも安全に過ごすことができます。また、あわせて読みたい 徘徊はその内のひとつであると言えるでしょう。 認知症による徘徊の場合、道に迷っていると自覚しないままひたすら歩き続けるケースもあれば、自覚しても帰宅する方法がわからずに行方不明になってしまうケースもあります。 警察庁が公開しているデータによると、2015年度に行方不明者届が出された家出・失踪者のうち、認知症または認知症の疑いにより行方不明になった人は、全体の14.9%を占めていたそうです。