癌 ステージ4 生存率

2. 2009;55:28-34M分類は遠隔転移の評価です。MはMetastasis(転移)の頭文字です。 腎臓から離れた臓器に腎がんが転移することを遠隔転移と言います。転移でも所属リンパ節への転移は遠隔転移とは言いません。また、単に「転移」と言うと遠隔転移を指す場合が多いです。 腎がんが転移しやすい臓器は、肺、肝臓、骨、膵臓、脳などが挙げられます。 混乱しがちなのですが、所属リンパ節以外のリンパ節転移は遠隔転移に分類されます。一般的には遠隔転移があるがんに手術をしても、メリットがほとんどないため、遠隔転移があるときに手術(原発巣の切除)は行われません。しかし、腎がんでは遠隔転移があっても、原発巣を切除することで余命が延長することがわかっているので、全身状態が良いことなどの一定の条件を満たしている人には手術が行われます。T分類、N分類、M分類が分かると、下の表に従ってステージが決まります。*anyはどの状態でもという意味です。ステージは生存率や治療法と密接な関係があります。次にステージと生存率について説明します。各ステージでの生存率について解説します。ここで取り上げている数値は2000年代に報告されたものが中心になるので、現在の治療を必ずしも反映しているとは限りません。ここ数年で腎細胞がんの治療は薬物治療を中心に進歩を遂げており、ここで紹介する生存率を上回る可能性が十分あります。転移がなく、大きさが7cm以下の腎がんです。手術は腎部分切除を中心に行われます。(腎部分切除の詳細については「【ステージIの生存率】手術によって治る可能性が高いステージIの5年、10年生存率は共に高い数字になっています。転移がなく大きさが7cmを超えるものの、がんが腎臓に留まっている状態です。 【ステージIIの生存率】腎がんは大きいほうが転移や再発が多い特徴があります。ステージIIはステージIに比べると生存率は低い傾向にありますが、他のがんと比べると5年生存率、10年生存率ともに高い水準と言えます。ステージIIIは下記のいずれかを1つ満たすことが条件です。ステージⅢは、腎がんがある程度進行しているものの、【ステージIIIの生存率】ステージⅢの腎がんで5年生存率は62-77%です。進行した状況ですが、手術によりがんを全て取り除くことができれば完治が望める方もいると考えられます。ステージIVは以下のいずれかに当てはまる場合です。ステージ4でも3つの条件を全て満たすものと1つだけ満たすものでは、大きく状態が異なります。全身の状態がよく切除可能であると考えられる場合には、原発巣や転移巣の切除も考慮されます。【ステージIVの生存率】ステージIVの5年生存率は10%以下とされており、厳しい数字ですが、手術や薬物治療により余命の延長が期待できる場合があります。参考: 2006;175:864-869, Eur Urol. 腎がんのステージと生存率:ステージiii(3)、ステージiv(4)の生存率など. 生存率と余命共にステージ Ⅱと比べると大きく変化が見られます。 一刻も早く 治療を受ける必要性があります。 ステージ Ⅳ. 生存率データは、全がん協加盟施設の生存率共同調査結果(2004-2007年診断症例)を元にしています。がんのステージ4で他臓器に転移したにもかかわらず、完治した患者さんもいらっしゃいます。 手術した部位に、再びがんができることです。腎盂(じんう)・尿管がんでは、がんの発生した側の腎臓と尿管をすべて摘出する腎尿管全摘除術を受けた場合、同じ部位にがんができることはまれですが、何らかの原因で腎臓や尿管を温存した場合、局所再発を起こすリスクがあります。 肺腺がんステージ4の余命、そして5年生存率は? ステージ4は、一般的には末期と呼ばれ、肺以外の臓器、例えば脳・肝臓・骨・副腎などに転移している状態です。 胸腔内にも悪性の胸水が溜まった状態で … 腎がんと一口にいっても初期の小さなものから、大きくなって進行したものまで多様です。様々な腎がんの状態を表す方法として目次腎がんのステージはI-IVまであります。腎がんのステージは、腎がんを次の3つの状態で評価して行われます。上の3つでステージを決める方法をTNM分類と呼びます。次にそれぞれの分類について詳しく説明しますが、専門的な内容を多く含んでいるので、読み飛ばして次の「ステージと生存率」に進んでも問題はありません。T分類のTはTumor(腫瘍)の頭文字をとったものです。 まず、4段階(T1、T2、T3、T4)に大きく分かれ、その中がさらに細かく分かれます。 T分類の診断はここからはさらに細かい分類が続きます。これらの基準を覚えたり完全に理解する必要はありせん。お医者さんはT分類は手術の方法を決める判断材料になります。 腎がんの手術法には、腎臓を丸ごととる腎摘除術と、がんとその周りだけを切り取る腎部分切除術の2つがあります。T分類を参考にして、適した治療が選ばれます。詳しくは「N分類は所属リンパ節というのは、全身にたくさんある小さな器官です。がんが時間とともに徐々に大きくなると、リンパ管や血管などの管の壁を破壊し侵入します。リンパ管の中にはリンパ液という液体が流れており、全身のリンパ管はつながっています。 リンパ管にはところどころにリンパ節という関所があり、リンパ管に侵入したがん細胞はリンパ節で一時的にせき止められます。がん細胞がリンパ節に定着して増殖している状態がリンパ節転移です。所属リンパ節とはがんが初期に到達するリンパ節のことを指します。【腎がんの所属リンパ節】所属リンパ節に1個の転移の場合はN1、複数のリンパ節転移がある場合はN2とします。所属リンパ節以外のリンパ節転移は遠隔転移に分類されます。 リンパ節転移が1個と複数個で比較したところ、複数個のリンパ節転移を認めた場合の方が再発率や余命が短かったとする報告があります。参考: J Urol. 日本のがん患者さんの数は毎年増加傾向にあります。欧米では、食生活の改善などの対策でがんに罹る(かかる)患者さんが減少していっているというのに、日本では増えているのです。食生活の欧米化(もはや、欧米の食生活のほうがいいかもしれませんが…)や運動量が少ないこと、また検診の受診率が低いことなどが原因として考えられます。そんな中、肺がんに罹る患者さんも年々増加しています。日本国内の2016年のがん死亡数は、約37万4千人(男性22万300人・女性15万3千700人)で、部位別の死亡数は、男性では肺がんが最も多くがん死亡者全体の25%を占めています。女性では、大腸がんの次に肺がんが多く死亡者全体の14%を占めています。そして、がん罹患数(りかんすう・かかった人の数)は約101万200例(男性57万6千100・女性43万4千100)となっており、部位別では男性の場合3位が肺がんで14%、女性も3位で10%となっています。以上は、がん研究振興財団の調査(2017年3月発表)による内容です。今回はそんな肺がんの中の肺腺がんについて説明していきたいと思います。目次まずは肺がんについて簡単に説明していきます。肺がんとは気管支や肺胞(はいほう)で発生する悪性腫瘍のことです。肺がんはに分けられています。小細胞肺がん…悪性度は高く転移もしやすいがんですが、化学療法や放射線治療が効きやすいがんです。非小細胞肺がん…化学療法や放射線治療が効きにくく、早期発見できれば手術による切除が可能です。肺腺がんは、この非小細胞肺がんに分類されており、他には扁平上皮がん・大細胞がんという種類のがんがあります。「腺がん」とは、身体を構成している組織の中で、腺組織と言われる上皮組織から発生するがんのことです。肺以外では、胃や腸、子宮体部、乳房、卵巣、肝臓、胆のうなどに発生します。肺にできる「肺腺がん」は、下の図にもあるように肺の気管支の先端付近にできやすいです。肺腺がんの特徴としてはなどがあります。では次に、肺腺がんのステージ4とはどのような状態なのか説明していきたいと思います。肺がんのステージというのはその進行度によって、4期に分けられています。そのステージ4というと、下の図で一番下の枠です。ステージ4というと、一般的には末期と呼ばれ、肺以外の臓器、例えば脳・肝臓・骨・副腎などに転移している状態です。「余命」というのは、その人があとどれくらい生きられるのかを予測した値のことです。この余命といっても、その人があとどれくらい生きられるかというのは、誰にも予測できないことです。個人差があり、その人のがんの病状や全身の状態によっても違ってくるので「余命は〇年です」と、ここで説明はできません。では、そんな余命はどうやって予測するのかというと、「5年生存率」の統計をもとに予測していくわけです。それぞれの臓器別、進行度別によって、厚生労働省でデータを出しています。次に、肺腺がんステージ4の5年生存率について説明していきたいと思います。肺腺がん含む肺がんがステージ4となると、外科的な手術は不可能になります。既に色々な臓器への転移がみられるステージ4では、肺の腫瘍だけを切除しても他の臓器に転移しているので意味がありません。そして、その5年生存率はほぼ0%となります。1年生存率は30%程度という低い数字になっています。そんな進行性の肺がんに対して、特に肺腺がんなどの非小細胞肺がんに効果のあるお薬が2002年に登場しました。それが、「イレッサ」というお薬です。では、肺腺がんステージ4でイレッサ治療をすると完治が期待できるのでしょうか?イレッサは分子標的薬と言って、正常な細胞ではなくがんの増殖を促す特定の細胞に働きかけ、がん細胞の増殖を止めて、がんを小さくする効果があります。このお薬で肺がんの5年生存率は少しではありますが伸びているようです。しかし、イレッサの治療によって肺がんが完治する訳ではありません。イレッサにはがんを小さくする効果はあるようですが、投与していくうちにお薬の効きが悪くなって、再度がんが増殖し始めることが多いようです。イレッサは投与し始めて、およそ1年~1年半で※耐性(たいせい)が生じます。※耐性とは、医薬品などを投与していくうちに投与されたヒトの身体が抵抗性を得て効力が低下していくこと耐性が生じた時にまた違うお薬を使うのか否かについては、その時のがんの状態や全身状態などを考えて検討されると思います。ステージ4という末期の状態になると、体力もかなり低下しています。どんな治療薬も重篤な副作用が出る可能性はあるため、元気な人には耐えられる副作用であっても、末期の患者さんにとってはその副作用が命取りとなります。ステージ4という末期での治療薬というのは十分注意して使うようにしてください。今回は肺腺がんステージ4の状態について説明してきました。ではまとめてみましょう。ステージ4は、一般的には末期と呼ばれ、肺以外の臓器、例えば脳・肝臓・骨・副腎などに転移している状態です。胸腔内にも悪性の胸水が溜まった状態です。余命はその人のがんの状態や全身の状態にもよるので、個人差がありますが、余命宣告は普通5年生存率を基に推測して宣告します。肺腺がんステージ4の5年生存率は、0%です。また、1年生存率は30%となっています。 肺がんだけでなく胃がんや肝臓がんなどは、ステージ4となると5年生存率がグンと下がり一桁になります。 がんの種類によっては、進行が早いものや再発の可能性があるものなどもありますが、がんにかかったからと言ってすぐに悲観的になることはありません。どんな臓器のがんであってもそのほとんどは早期に発見すれば完治します。がんにかかる可能性は誰しもが持っているので、なるべく定期的な健康診断をしっかりとしていき、早期発見に努めていくことが必要です。email confirmpost date 看護師のミカです。健康や病気に関する疑問や不安などありましたら、お問い合わせフォームより気軽にご連絡ください。救急救命士免許証明書 この数字を見て生存率が低いと思われるか、高いと思われるかはわかりませんが、他のがんと比べればその5年生存率は非常に高いと思われます。特に、ステージⅠ~Ⅲまでに見つけられればその生存率はほぼ100%に近いという結果になっています。 各ステージでの生存率について解説します。ここで取り上げている数値は2000年代に報告されたものが中心になるので、現在の治療を必ずしも反映しているとは限りません。